ジャガイモ超浅植え結果 収穫量と不良率

じゃがいも 馬鈴薯

本業もあるので、なかなかデータのまとめができず、自分でも歯がゆいのですが(^^;

ようやくジャガイモ超浅植えの結果がまとまりましたので、ご報告です。今回は収穫量と不良率を中心に記載したいと思います。追って後日(^^;、収穫期のイモ重量増加やサイズ変化、植え付け場所依存など、超浅植えとは比較的関係のない各種データと結果なども書きたいと思います。

さて、先ずいきなりの結論ですが…自分はもう超浅植えはしません!(笑)

これまでの経過(過去記事)

超浅植え信奉者、またはこれからやってみようという方々には少々ショッキングな出だしとなりました(^^;。まぁ「うちでやってみたらこうだった」ということで、参考程度にして頂ければ(笑)

先ずはこれまでの準備等に関する過去記事をリンクしておきますね。

過去記事にある通り、当初株あたり茎数を1~3とする区画を設けてデータ取りするつもりでもあったのですが、欠株や区画内に想定茎数に満たないものなどがあり、正確なデータが取れないと判断して、それは中止しました。

今回は芽かきを行わない、完全放任栽培での結果となります。イモ種は全て男爵です。

データ取得方法

今回は以下のデータを取得しています。

対象畝
1.普通植え 畝幅45 cm 1列 計23株
2.普通植え 畝幅70 cm 2列 千鳥 計102株
3.超浅植え 畝幅70 cm 2列 千鳥 計40株

測定・および計測
1. 全イモ重計測
2. 奇形イモ数、虫・ネズミ食害数、地上果数、緑化イモ数(マルチ焼け含む)の計測
3. 各株の茎数

茎数は土に埋まっている状態では独立した主枝なのか側枝なのかおおよそしかわからないので、掘り出した後に正確に数えました。

また、問題のある各状態のイモの例(写真)を以下に示します。

奇形イモ:球形をしていなかったり、突起が出ていたりが対象です。
虫食害:虫に食われたイモです。場合によっては写真のように現行犯もあります(^^;
ネズミ食害:実はマルチの下に可愛い巣までありました(^^;
地上果:イモになるはずがいきなり地上だったのでこんなになったんだと思います。
緑化:ピントが…(^^;。ご存じの通り、日に当たって緑になってしまったイモです。
マルチ焼け:最後の収穫数日前から40℃前後の日があったため、相当数マルチ焼けに(^^;。もったいない…。

結果と考察

では以下に生データをそれぞれお見せしましょう。イモ一個一個のデータがもちろんあるのですが、ここで挙げてたら大変なので、まとめはお任せください(笑)

結果はこの通りとなりました。しかしこれでは感覚的に分かりにくいかと思いますので、以下に解析してみます。

先ずは1個当たりのイモ重量、1茎当たりのイモ重量、1株当たりのイモ重量です。

はい。いきなり大きな差です(笑)。地上果が観られると、なぜか地下塊茎数が多くなり、超浅植えではその率が高いことも関係しますが、それを差し引いても小ぶりであると言えます。

このように地上果が付くと、地下塊茎数が多くなります。

畝に1列で植えた場合と2列にした場合の違いは、もちろん隣接する株との競合もあるかと思います。また、2列の場合北側株への日照が低下することも影響し、総合的に値が低くなっているとも考えられます。

次に1株当たりの茎本数、1茎当たりのイモ個数、1株当たりのイモ個数です。

以前の記事でも記載しましたが、普通植えに比べて超浅植えでは茎数が少なくなる傾向が観られます。

常にそうなるかは不明ですが、植え付け数日後にかなりの低温になったため、超浅植えでは芽が凍結の影響を受けたと考察しました。こういうリスクもあるということだと思います。

普通植え1列と2列では1茎当たりのイモ個数が有意に少ないと言えます。これはやはり他株との競合や受けられた日照の違いが出ていると考えて良いでしょう。

超浅植え2列で1茎あたり、1株当たりのイモ個数が多いのは、先ほど記載の通り、地上果発生に伴う地下塊茎数の増加が反映されているとみるべきですね。

そして最後に各種発生率を挙げてみます。

ここでの最大の注目ポイントは、奇形率と地上果率です。超浅植えではどうしても地上に塊茎が形成されやすいと言えます。また、塊茎が浅いところで混むので、奇形率も高いと考えられます。

また、普通植え1列と2列ではそれほどイモの大きさや重さに違いがありません(若干1列の方が大きい傾向がある)が、超浅植えは明らかにイモの小型化傾向が観られます。

普通植え2列で緑化率、虫・ねずみ食害率が高いのは…実はハタネズミがマルチの下で巣を作っていたことが原因と思われます。そこそこの個数が被害にあったので(^^;。写真などはまた別記事で挙げたいと思います!

これらのデータを持って、私は今後超浅植えはやらない方向であると結論付けたのですが、ご理解頂けましたでしょうか?(笑)

まとめ

上に示しました通り、比較的簡単に超浅植えの問題点が浮き彫りになり、リスクがそれなりに高いことがわかります。

それに、土が固いわけでもありませんので、一般的に超浅植えの利点として挙げられている「収穫のしやすさ」は、それほどメリットに感じませんでした。普通植えでも、収穫の大変さはそれほど変わりません。

また、超浅植えでは気温の影響を相当に受けると思われますので、残暑の残る秋植えなどは、さらにリスクが高いかもしれません。

他にもデータは収穫期のイモ重量の増加などいろいろとありまして、それらはまた別記事で挙げたいと思います。また、ハタネズミの巣など、ジャガイモ畑で観られたアラカルトも、また別記事で後日挙げてみますね。

そして次回の植え付けでは最大の収穫量を相当に効率よく得られる植え付け方法の設計ができると思います!

さて皆さん、超浅植え…やりますか!?(笑)

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