今年ジャガイモの植え付けに初トライしましたが、その中でネット上で広く知られている「超浅植え」も試してみました。
結果が出るのは収穫の時かと思っていましたが、現時点でリスクがあることがわかったのです。手放しで追随する方法ではないな…と思われましたので、そのご報告です。
あと、マルチを使ったジャガイモ栽培を試みたことがある方なら皆さんご存じの「芽出し」について、これは特に科学的考察も無く「こうやりました」というご報告だけ(^^;
マルチ栽培でのジャガイモの芽出し
ジャガイモを植え付けた後、マルチを張った場合は、伸びてきた芽を出してあげる作業が必要です。
いつもは仕事に全集中の自分ですが、ジャガイモの芽が出るタイミングで「天気は晴れ。気温は27℃」とか言われると、気が気じゃなくなってしまいます(笑)。芽が茹っちゃう可能性があるそうですからね。
先ず過去の浴光催芽と植え付けについては以下の通りです。
さて、芽出しについては、植え付けから2週間くらい経ってから、ソワソワする感じで大丈夫です。畑に行って、マルチが以下のようになっていたら、芽が出てきた証です。
そうしたら、そこをカッターなり、手なり、またはその両方を使って顔を出してあげれば良いのです。
出した際は暗下にあったのですからもちろん葉緑素は十分生成されておらず黄色ですが、一日もすると以下のように緑になってきます。
この辺りは以前書いた記事(まだ現象のみしか記載していませんけれども(^^;…追々考察書きます)の黄化子葉発芽の状態とは異なるようで、光酸化ストレスにも早々に対応できていそうです。
ジャガイモ超浅植えのリスク
さて、今回の本題?とも言える内容に移りましょう。
ネットで見られる「超浅植え」の記事は、そのほとんどが賞賛、または「悪くないよね」という評価に見受けられます。なので、私も試してみたのですが…。
もっとも、中にはそのリスクも記載されていて、収量が減るとか、緑化したジャガイモが多くなるとか、形がいびつになりやすい、芽が熱で焼けてしまう、などが挙げられていました。
それでもむしろ、収量が増える!とか掘るのが楽ちん!芽が出るのが早い(逆さ植えを除く)!などのメリットが盛んにプッシュされていました。
ところが今回自分で行ってみて、芽が出る日数が通常植えより掛かる、欠株率が高い、株あたりの芽の数が少ないなどの現象が観られましたので、以下にご報告したいと思います。
超浅植え結果(植え付けから1か月)。通常植えとの比較
先ずは発芽率の推移について以下に挙げます。
それぞれサンプルとした母数(植え付けた対象となる種いもの数)は通常植えが106株、超浅植えが47株となります。
通常植えは植え付けから16日後に発芽が確認されましたが、超浅植えはそれが遅れ、また全体を通して通常植えに追いつくことはありませんでした。
また、最終的な欠株率は以下の通りです。
このようにかなりの差が観られます。
この原因として、植え付けからの気温が関係しているのではないかと考えました。
畑の場所から最も近い「上里見」の最高気温と最低気温の推移です。
発芽時期の20-24日の高温も気になりますが、自分が注目しているのは植え付け翌日から連続した零度以下の最低気温です。
仮説としてですが、超浅植えによって種いもが凍結し、上方にあった芽が死んでしまったのではないでしょうか?
もしそうであれば、初期の発芽が遅れ、下方の芽が動き出すまでの時間が掛かったことが説明できます。
また、仮説通りであれば出てくる芽の数が通常植えよりも少なくなると想定できますので、株あたりの芽の数をカウントしてみました。
まだ小さな株もありましたので、完全に正確な値ではありませんが、明らかに超浅植えの方が種いも一つ当たりの芽の数が少ないことがわかりました。
結論
ネットで評判のジャガイモの超浅植えですが、もちろん良いところはたくさんあるのだと思います。
ただ、今回のようにリスクもあることがわかりました。
収穫時に得られる総収穫量やイモの大きさ、良品率などを見てみる必要がありますが、手放しで「超浅植えが良い!」とは言えないようです。
その後の経過は以下の通りです。
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