ジャガイモ植え付け編

じゃがいも 馬鈴薯

2022年3月21日、ジャガイモ(男爵242個、とうや29個)の植え付けを行いました。通常植えだけでなく、超浅植えも試しています。また、今後芽かきで残す本数や肥料の有無など、収穫時に比較ができるよう設計して植えています。今回は全て黒マルチで覆う方法です。

植え付け方法の考察

今回植え付けるのは浴光催芽した種いもです。その方法等の記事は以下の通り。

植え付けにあたりまして、先ずはどんな方法で植え付けるかを検討しました。また、参考にしたサイトや論文、文献などは多々あったのですが、できるだけ最近のものを中心に検討しています。

種いもは切るか否か?

今回は種いも重量が30~60g程度で一定していましたので、そのままマルっと植え付けることにしました。おしりを切ったりもしていません。

黒マルチを使うか否か?

両方ともやってみても良かったんですけれど、一応会社もやってますので、できれば手が掛からない方が良いということで、黒マルチ使用一択で(笑)。

というのが当初の理由だったのですが、さらに調べを進めていきますと、黒マルチを張った方が株の高さが高く、葉の数も多く、最終的には収量も多くなるというネパールでの報告がありました。

Effect of Planting Depth and Mulching Materials on Yield and Yield Attributes of Potato in Dadeldhura, Nepal
Binod Joshi, Roshan Dhakal, Santosh Bharati, Shiva Chandra Dhakal and Khem Raj Joshi
ACTA SCIENTIFIC AGRICULTURE (ISSN: 2581-365X) Volume 3 Issue 10 October 2019

草丈
(cm)
葉の数
(枚/株)
乾燥いも重量
(kg/株)
いも数
(個/m2)
いも重量
(kg/m2)
マルチあり34.3936.670.10490.553.63
マルチなし27.8233.010.08184.022.82
草丈と葉の数は測定期間最終日。草丈、葉の数およびいも重量はp<0.05で有意。
引用 : Effect of Planting Depth and Mulching Materials on Yield and Yield Attributes of Potato in Dadeldhura, Nepal
Binod Joshi, Roshan Dhakal, Santosh Bharati, Shiva Chandra Dhakal and Khem Raj Joshi

植え付けの深さは?

いろいろとサイトや動画を探してみますと、「超浅植え」という方法が収穫も楽で、一部収量も多いなどの記載がみられました。

そこで、植え付け深度と収量やいもサイズの違いが生じるのか、論文を探してみると、以下の論文が見つかりました。上のネパールでの試験も参考にはしたのですが、検討している植え付け深さが深くって(^^;。

Effects of planting depth and earthing up frequencies on growth, yield and tuber qualities of potato (Solanum tuberosum L.) at Dangla district of Awi zone, North western Ethiopia.
Fikirt Kassa
BAHIR DAR UNIVERSITY COLLEGE OF AGRICULTURE AND ENVIRONMENTAL SCIENCES
GRADUATE PROGRAM 2021-07-14

今回はマルチを張って土寄せしない方法になりますので、この論文内でも土寄せ回数0回を参考にしています。これを見ますと、深さ10 cmで植え付けたものがイモの数、大きさなどが最も優れていましたので、基本10 cmとすることにしました。

植付深さ
(cm)
50%
発芽日数
(日)
草丈
(cm)
いも数
(個/株)
平均いも
重量
(g/株)
サイズS
<39g
(t/ha)
サイズM
40-75g
(t/ha)
サイズL
>75g
(t/ha)
517.560.07.8748.75.275.794.17
1021.270.410.3730.54.145.988.24
1523.564.99.5758.44.416.037.58
引用 : Effects of planting depth and earthing up frequences on growth, yield and tuber qualities of potato (Solanum tuberosum L.) at Dangla district of Awi zone, North western Ethiopia.
Fikirt Kassa

一方、いろいろなサイトで言われている超浅植えで収量が本当に多くなるのか?メリットだらけなのか?を検証したいと思います。

上記論文を含めて、そうはうまくいかない気がするのですが、浅い方が芽が出る日数が有意に短いようですし、マルチを張ることで、各論文データと異なる結果になるかもしれません。

また、植え付け深度については、古くはこんな報告書が日本語であります。

バレイショの生理生態学的研究 : 第12報 植附の深さと塊茎着生分布
吉田 稔
北海道大学農学部農場研究報告 1977年2月

実際の植え付け

それでは、実際にどのように植え付けたかを以下に示します。先ずは通常植えと超浅植えの違いから。

通常植えは深さ約10 cmの穴に芽の多い方がなるべく上にくるように種いもを落とし、土を被せています。超浅植えは種いもの上に薄っすら土が乗る程度に植えました。その後、双方に黒マルチを掛けています。

全体の植え付けは以下の通りです。実際にはこのほかに「とうや」の畝や、余った種いもを株間15 cmでやや過密に植えたのもある(笑)のですが、メインとなる比較用植え付けは以下の通りです。

畝幅は50 cmが1条植え、70 cmは2条植えとしています。株間は全て30 cmで、千鳥状にジグザグに植えています。このため畝内での条間は15√3 cmです。

植え付けには以下の一辺30 cmのひし形を用い、その頂点に植え付けしています。(実際の定規は切り抜いた中身なのですが、畑に置いてきてしまったので(^^;)

また、通常植えと超浅植えの比較だけではなく、芽かきで残す本数3本を基本としますが、1本、2本立ても各10株作成します。評価に用いるのはその両端を除いた6本です。

3本を基本とするのは以下の報告書を参考にし、最も経済的に良い量とイモ数が得られる可能性が高いと判断したからです。

ばれいしょの生理生態学的研究 : 第10報 株当茎数と塊茎重量分布について
吉田 稔
北海道大学農学部附属農場報告 1974年3月

その後の経過は以下の通りです。

おまけ

畝を作る際に、恐竜の足跡を見つけました(笑)
(おそらくキジと猫?かなんかだと思われます。)

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