サトイモの新?植え付け方法 名付けて「ビニール傘法!?」

サトイモ

サトイモの栽培方法はいろいろなブログやホームページなどで紹介されており、いずれも一定の収穫が得られているようです。

ただ、他の作物と比べて水を多く欲する作物であることから、もうちょっと工夫できる余地があるのでは?と思い、今回の栽培方法を試すことにしました。

他にも水が多い方が良さそうな作物もあるので、今後応用もしていきたいと思います。

サトイモ Colocasia esculenta とは

サトイモはサトイモ科の植物で、東南アジアが原産と考えられています。

自分は以前サトイモとタロイモは異なるもので、タロイモって何だろう?と思っていましたが、同じでしたね(笑)

栽培適地は日当たり良く、湿潤な土地、温暖な気候が良いようです。

栽培方法としては畑に植えた後、追肥と土寄せしながら育てる方法、マルチ(途中で剥がす場合も、そのままの場合も)を使用して育てる方法、水田などを利用した潅水状態で育てる方法などがあるそう。

特に潅水栽培では収穫量が2倍以上になるそうで、やはり水が大好きな作物であることがわかりますね。

連作障害が強いようで、次作までには3-4年は空けた方が良いとのこと。サトイモの連作障害は主にセンチュウ(ネグサレセンチュウやネコブセンチュウ)の可能性やサトイモの出す化学物質によるアレロパシーによる可能性があるようです。

サトイモの連作障害に関する研究 発生実態と防除について
三善 重信 et al
九州病害虫研究会報 1971 年 17 巻 p. 98-101

サトイモの連作障害とそれに関与する要因
続 栄治 et al 
日本作物学会紀事 1995 年 64 巻 2 号 p. 195-200

サトイモの新植え付け方法 その考え方

これまでブログなどで紹介されている植え付け方法としては、普通に畑に植え付け、追肥と土寄せを数回行いながら、少雨の際には潅水、または乾燥を防ぐために敷き藁などを利用するのがメジャーなようです。

また、マルチを用いる方法も行われており、この場合は途中でマルチを剥がして、上記と同じように育てる方法や、深植えでマルチをそのままにして最後まで育てる方法があるようです。

マルチをしたままの場合は、雑草取りの手間も省けますし、基本湿度は保たれるハズなので、湿潤環境が好みで、乾いたら潅水が必要なサトイモ栽培では、省力化できる良い方法に思えます。

うちの畑では、オーナーさんによって以前サトイモ栽培が行われていたようで、昨年はどこからともなくサトイモが芽を出していたのですが、その野性化サトイモは乾燥すると消える、新芽が出る、消えるを繰り返していました。

ちなみに今年植え付けたサトイモは、その野性化サトイモ(地域で代々栽培されてきたもので、品種不明とのこと)を使用しています。

これらのことを考慮して、マルチ栽培を行いつつ、そのマルチの中により多くの水分が供給できれば良いのでは?という観点から考えたのが、今回の栽培方法です。

名付けて「ビニール傘法」です(笑)

実は他にも利点があるかも…なのですけれど。

ビニール傘法 畝準備編

さて、ビニール傘法はいたってシンプルで、どういうことかと言いますと、植穴により多くの雨水が流れ込むようにしてあげれば良いのでは?というアイデアです。

先ず、通常通り植え付けの2週間前に完熟牛糞堆肥と苦土石灰を混ぜて耕します。

植付1週間前に8-8-8の化成肥料を加えて畝を作り、マルチを張るのですが、その際に一工夫します。先ずは普通に幅70 cmの畝を立てます。

先ずは70 cm幅の畝を立てます。

次に、植え付け予定のところを中心に窪みを作ります。その際に利用するのが「ビニール傘」です!もちろん高級傘を使用して頂いても構いませんけれど(笑)

先ずは簡単に植え付け予定の箇所の土を窪むようにある程度取り除きます。これを行わないと土を押し付けて固くなりますし、そもそもうまくきれいな窪みができません(^^;

土を取り除いた箇所にビニール傘を開いて刺し、グルグル回して窪みの形を整えます。

ある程度土を取り除いて窪ませたところに開いた傘を差し、グルグル回して、窪みを整えます。

そうすると、以下のようにきれいな窪みができてきます。

窪みができたらマルチを張ります。張る際には窪み部分に土を載せて、窪ませてから周りを固めていくのがポイントです。

マルチを張る際には、マルチを被せた後、土を窪みに乗せてから周りを固めていくようにしましょう。

これで植え付け準備完了です。画像では畝の左側は窪みが無いマルチ栽培法との比較のため、普通に平らな状態にしています。

後日雨が降ったので、その効果を確認してみると…。

雨の後、効果を確認してみると…

このように雨が窪みに溜まっているのがわかります。この分の雨水が、植え付け後に植え付け穴に流れ込むことになりますので、通常よりも湿潤な環境を作ることができると言えるでしょう!

また、可能性の問題でもあるのですが、サトイモは子イモ、孫イモと徐々に着く位置が上がってくる(浅い位置に着いてくるようになる。故に土寄せ必須)ようですが、この方法では周囲が上がっているので、深植えしなくても良い方法になるかもしれません。

ビニール傘法 植え付け編

植え付けは畝準備から1週間後に行いました。

詳細は別途後日アップ予定の栽培編(アップしたらリンク貼ります)に記載するとして、以下のように植え付けました。苗は予め芽出ししたものを植えています。

野性化していたサトイモは小さいながら2株ありまして、1株からは親イモとそれに着いた子イモ8個、もう1株からは親イモと子イモ3つが採れていましたので、上記の設定を行いました。

サトイモでの報告はありませんが、他クローン間で競合が起こり、収量が減じる可能性については、以前のキクイモの記事で記載していますので、ご参考までに。

いずれもn数が少ないので、データとして信頼性があるかと言われれば、極めて無いと言わざるをえませんけれど(^^;

さて、植え付けし、潅水後の様子は以下の通りとなりました。さて、今後どうなるでしょう!?詳しくは栽培編で順次記載していきたいと思います!

植え付け完了!さて、どうなることやら。

P.S.
そして結果も出ましたので、以下のリンクを見てみてくださいね。

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