植物の根は当然ですが、水や栄養を取るために重要な器官ですね。さて、ではその根はただやみくもに伸びていってるのでしょうか?今後のためにちょっと知りたくなったんです。
根の伸長指向性
植物の根は水や栄養を取り入れたり、物理的には植物体を支えたりと、重要な役割をしていますね。植物も生き物ですから、その根の張り方も、ある指向性を持って伸びることもあるのでは?と考えています。
以前キクイモの植え付け編で挙げた論文内でも、他のクローンが隣に来たときは根の量が増加することが確認されています(以前の記事ではこのことは記載していません)。おそらく隣のやつより栄養取って勝とうとしていると考えられます。
Genotype-aggregated planting improves yield in Jerusalem artichoke (Helianthus tuberosus) due to self/non-self discrimination
Yuya Fukano, Wei Guo, Koji Noshita, Shoko Hashida, Shotaka Kamikawa
Evolutionary Applications March 2019
さて、今回なぜこんなことを調べてみようと思ったかと言いますと、地中へ置き肥する方法が、例えばジャガイモ植えなどで行われているのを見たからなんです。
植物にとって適度な肥料はごちそうですから、その方向へ根が指向性を持って伸びることがあるのでは?と考えました。
しかし一方で多過ぎると肥料焼けで最悪枯れてしまいます。
実際昨年、雑草の中に化成肥料を大量にこぼしてしまい、できるだけ回収したのですが、取り切れずに残ったところとその周辺がそっくり枯れてしまいました。
そこで、そういった根の指向性が強くあるのであれば、地中への置き肥は危険なんじゃないか?と考えたのです。
根が他の方向に目もくれず、喜んで向かって行った先が濃すぎる肥料で、肥料焼けを起こし、最悪枯れてしまったり…。
今年はメロンにもチャレンジしようと考えているのですが、その植え付け方法にもこの置き肥的なことが記載されているものがあるので、確認実験しようと考えました。
実験準備
この実験を行うにあたり、実際の畑で行おうとすると、まず評価が難しいので(^^;
簡単にできる方法で確認します。
まず、2つのプラスチック容器を準備します。百均で買いました(笑)
容器の大きさはそれぞれ約縦 21 cm、横 7 cm、深さ 7 cmです。
そしてこの一つの片側に化成肥料を置きます。置き方は、まずケースを立て、そこに化成肥料を置きます。
そしてそこに土を乗せます。
この土は完全に肥料分はなくしてはいないですが、少なくなるように無肥料の鹿沼土を混合しています。
ある程度乗せたら、元に戻して、全体に土を入れていきます。
これで一つの容器の、それも片側だけに化成肥料が置いてある状態ができました。
そしてそれぞれの真ん中に、同程度に成長しているキクイモを植え付けます。キクイモは別の実験で使っていたものです。後日発表します(笑)。
セルトレイに入れられていたので、根はかなりまとまった状態でした。
そして光や太陽の方向の影響が出てはいけないので、アルミホイルで外側を覆い、横面が南となるようにセットしました。
これを様子を見ながら、当面1日1回程度、底面と側面の根の量を確認し、肥料方向への伸びの具合を確かめていきたいと思います。
水は量を少なく、回数多く、肥料の拡散がなるべく起こらないように差していく予定です。
もうちょっと化成肥料量を多くして、枯れるところまでも考えていたのですが、何分狭い中での実験なので、単純拡散で枯れてしまうことも恐れて、先ずは根の伸長指向性を観ることにしました。
さて、どうなりますか…。結果が出次第、また書きたいと思います!
P.S.
結果が出ましたので、以下ご覧ください!
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