一時期大ブームとなったタピオカの原料キャッサバ。ブラジル人の友人が多い自分は、あえてマンジョーカ(マンジョッカ)(mandioca)と呼びたい(笑)
フライドマンジョーカ(mandioca frita)は最高のおつまみですし、ブラジルで食べたcostela com mandioca(日本の肉じゃが的な料理)なども相当に美味しいんです。
苗がブラジル人の友人から入手できるので、昨年・今年と栽培していますが、先ずはやや失敗と言える昨年の作付け記録をご覧頂きたいと思います。
マンジョーカ Manihot esculenta とは
先に記載した通り、マンジョーカとはキャッサバ(cassava)のことです。
キャッサバは世界中で広く主食レベルで食べられている作物ですし、タピオカ用などの澱粉原料としても栽培されています。
国内ではほとんど聞きませんが、世界ではジャガイモに次いで多く生産されているイモ類で、サツマイモの生産量も大きく上回っています。
苦味の強い品種と甘みの強い品種がありますが、イモ自体を食べる場合には甘みの強い品種が良く、今回栽培するのも甘味種です。
熱帯・亜熱帯では茎を挿せば容易に発根・発芽し、貧栄養の土地でも周年植えっぱなしで育つ、極めて栽培が簡単な作物ですが、低温には弱いため、うちの畑では春に植えて秋に収穫することになります。
イモの外皮や芯にはシアン化合物の毒があるので、調理の際には外皮を剥くなどの手間は掛かりますが、冒頭に書いた通り、フライドマンジョーカなど最高にウマいので、栽培する楽しみがあるんです。
ブラジル人たち的にはソウルフードのようなもので、収穫したら売ってくれ!と盛んに言われます(笑)。そんな中、去年はちょっと失敗しちゃったんですよね(^^;
ちなみに観葉植物で知られるマニホットも基本的には同じ種類です。観賞用のものは葉に斑(斑入り)が入っているものが多いですね。
植付準備
マンジョーカのための土作りの前に、参考のためいくつかのブログやホームページを参照させて頂きましたが、あまり詳しい情報は見つかりませんでした。
ただ、いくつか得られた情報では以下の3点が重要とのこと。
・肥料は少ない方が良い(むしろ無くても良い)。追肥も要らない。
・多湿を嫌うので高畝にする。
・株間は1 mは確保する。
そこで土作りは完熟牛糞堆肥と苦土石灰を入れて良く耕し、1週間後に8-8-8の化成肥料を通常の1/10程度(10 g/m2)加えて良く混ぜた後、高さ25 cm、幅1 m、長さ2 mの畝を作りました。
ただ、後日苗を頂くと、当初3株の予定が5株になったので、急遽畝長さを3.5 mに伸ばし、株間70 cmの千鳥で植えることにしました。
実際は「肥料は少ない方が良い(むしろ無くても良い)。追肥も要らない。」は言い過ぎで間違いであることが2021シーズンで分かるのですけれどね(^^;
栽培経過
植付は2021年5月22日に行いました。植え付け時に水はあげなくても良いとも書かれていましたが、畝も乾き気味でしたので、たっぷりあげています。
5株は定着し、その後も葉の数を増やしていきます。
さらにしばらく経過すると、葉の数だけでなく、姿も変わってきます。だらっと垂れていた葉が、横に広く展開するようになりました。
雑草も育ってきています(^^;
夏はマンジョーカの季節!ということで、急激な成長を期待したのですが…思ったよりも貧相に育ちました。以下はもう9月20日の写真です。
この後の気温を考えると、少しは育つでしょうが、急激なサイズアップは期待できなそうです…。
あまりに貧相なので、ここにきて、8-8-8の化成肥料を追肥として撒いてみました。
そして花が咲きました。イモの成長への花の影響などはどこにも記載が無かったので、そのまま咲かせておくことにしました。
ちなみにマンジョーカの花は雌雄別々で、枝分かれのたびに花芽が形成される傾向があるらしい。一つの分枝又から出てくる花の枝には複数の花が咲きますが、同一花枝上は全て同性花のようです。
比較的簡単に自家受粉も他家受粉も行われ、種もできるそうです。ただ、種からの栽培には時間が掛かるので、品種改良目的などでなければ、普通に栄養繁殖苗で栽培した方が良さそうですね。
ちなみに花の咲く条件は結構複雑なようで、熱帯多雨の地域では咲かない場合も多いらしい。
また、いつ作られたか定かではありませんが、ハタネズミの巣?らしき穴が根元に数か所見られました。
マンジョーカのイモの皮には毒があるので、ジャガイモのようには食べられたりは無いと思いますけれど(^^; (ジャガイモでのハタネズミ食害については別記事で紹介予定)
マンジョーカの収穫
2021年10月23日、先ずは最も小さいサイズの株(高さ約1 m)から試し掘りを行いました。
通常ですと2 m近くなるらしいので、かなり小さいです。枝数も少なく、見るからに貧相なので、イモも期待できないな、と思いながらの収穫です。
ただ、株元を見ると土に亀裂もあるので、若干の期待もしつつ…。
少しづつ掘り進めていくと…イモが見えて来ました。でも、やはり数も少なく、大きさも小さそう(^^;
で、結局得られたのは以下の通りで、可食部は500 gくらいでした(泣)。
静岡などでは5-10 kg/株収穫できるそうなんですけれどね(^^;
そして11月13日に最も大きく育った株から収穫。
最も大きかった株からはやはり最大の可食部重量が得られましたが、それでも1.5 kg弱でした(^^;。
この結果を踏まえていろいろと見直し、現在2022年版を栽培しています。今のところ良い感じです。
おまけ 男料理 マンジョーカ編
さて、シリーズ化する予定の収穫品を使った男料理のご紹介です。
今回はマンジョーカ料理と言えば!の「フライドマンジョーカ」です。
材料は以下の通り
・マンジョーカ(採れたてが好ましい。生では常温保存で3日、冷蔵でも1週間経つとほぼアウトです(^^;)
・サラダ油
・白ごま油
・塩 適量
・バター 適量
<作り方>
マンジョーカの皮が剥きやすいように、10 cm程度に輪切りにします。
輪切りにしたマンジョーカに縦に切れ込みを入れて、包丁で皮を持ち上げながら剥いていきます。新鮮ですと、大根の桂剥きのようにしなくても、離層があって、キレイにめくれて行きます。
やったことのあるヒトは分ると思いますが、ペロペロっと剥けると気持ちいいです(笑)
剥き終わったら細いものはそのまま、太いものは縦に半分に切り、鍋に入れ、塩を少々加えた水で竹串が中までスッと通るくらいまで茹でます。茹でると色が黄色くなってきますよ。
茹で終わったら取り出して、表面の水分が無くなるまで放置、またはキッチンペーパーで拭きます。この時に細くてそのままだったものも縦に半分に切り、中の芯を取り除きます。芯を取り除くのは揚げた後でも良いですけれど。
芯は1-2 mmの太さで、繊維の束になっているように見えますので、すぐに分かります。
サラダ油(これに少し白ごま油を入れると、風味が良くなってさらに美味しい)を熱し、茹でたマンジョーカを入れます。油の温度などは…測っていませんし、良くわかりません(^^;
少し色が濃くなってきたら(茶色みがわずかに出てきたら)取り出して油を切って、盛り付けます。
塩を適量振って完成です!バターを付けてもさらに美味しいですよ!
フライドポテトとは異なる、食物繊維を感じるサツマイモとジャガイモの間な感じの、めっちゃ美味しいおつまみになります(^_~)
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