今でこそさらに激辛なトウガラシ品種がいくつも出てきていますが、一時期激辛トウガラシの代名詞として一世を風靡していた「ハバネロ」。
2002年は9種のトウガラシを栽培したのですが、今回は知名度も高いこの「ハバネロ」の栽培記を書いていこうと思います。
ハバネロとは
ハバネロ(Capsicum chinense ‘habanero’)はナス科トウガラシ属の植物で、中央アメリカから南アメリカの温暖地域原産とされています。正確な原産地は諸説あるようです。
wikiなどではアマゾン盆地の可能性が高いと記載されていますが、そもそもそのアマゾン盆地って、めちゃくちゃ広大なので、原産地表記の意味があるのか不明です(^^;
自分のサッカー仲間であるブラジル人達がハバネロ好きなので、ブラジルでは相当にメジャーで好まれているようですね。
元はペルー料理のようですが、サーモンなどを使ったセビーチェを彼らも良く作り、ハバネロで辛味を付けていることがあります。
ハバネロはそういう意味では爽やかな味もあるので、マリネなどにはピッタリです。めちゃ美味しいですよ。
ナス科の常套である耐寒性の低さはハバネロもそうで、冬越しはうちの畑周辺ではできません。霜が降ると一気に枯れます(^^;
ハバネロの種まきと育苗
2022年の栽培では種まきがかなり遅れ、4月9日になってしまいました(^^;
本来3月半ばくらいまでには種まきして、5月初旬の植え付けに備えるのが多くの実を収穫するためには必要なんですけれどね(^^;
今回撒いた種は2021年、購入苗から栽培した株から採種したもので、若干熟しきれていなかった可能性もあり、発芽するかどうかイマイチ不安な状態でした。
そのせいもあったかもしれないのですが、その他の唐辛子達と比べても遅い発芽でした。撒いてから1ヶ月近く経った5月5日でした。
その後1ヶ月程度は気温が高めでも成長はゆっくり進んだ感じです。以下は6月2日の様子です。
そしてさらに気温が高くなってくると、成長も急激と言っていいくらいに早くなっていきます。
植え付けもだいぶ遅くなってしまいましたが、7月13日に行いました。昨年苗で買った時は5月4日に植え付けていたんですよね。
土つくりは植え付け2週間前に完熟牛糞堆肥と苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に8-8-8の化成肥料を加えて再度耕して行いました。
畝は70 cm幅とし、黒マルチを張っています。
ちなみに同じ植穴に青枯れ病抑制のために九条細ネギを植えています。ただ、後々コンパニオンプランツとしてネギの青枯れ病抑制効果は限定的っぽいと考えられるのですけどね(^^;
さぁ!どのくらい実を付けてくれるのでしょうか!?
ハバネロの仕立て、整枝と追肥
ハバネロもナス科なので、わかりやすい一番花が咲きます。
今回は時期的に遅かったので、実を早めに多く付けるよう、3本ではなく4本仕立てにしました。残す枝は千両ナスの仕立てと同じです。
そして整枝は一番花より下の枝(脇芽)を取る以外、4本の主枝を選んだあとはほとんど行わず、咲いた花にはことごとく実を付けさせました。
花も順調に咲き、実も大きくなってきました!
追肥時期はなかなか見極めが難しいですね(^^;
葉色が薄くなって来たり、新芽が細く弱々しかったり、花が咲いても実が付かなかったりした際に、植穴と畝横通路に行いました。様子が改善するので、これらが肥料が足りない時のサインの気がします(^^;
収穫
だいぶ遅くなってしまいましたが、最初の実が収穫できたのは9月24日でした。
そして霜が降りる直前くらいの様子が以下の感じです。量としてはやはり少なかったですが、想定よりは成ったかなと思います(笑)
この後12月に入って霜が降り、終了となりました(笑)
時間を見て他のも書こうと思いますが、今回のハバネロと同じ時期に播種して育てたゲキカラ、タバスコ、ビキーニョでも想定以上に採れましたし、さらに遅く種まきしたDedo de Mocaやベトナムチリ、ジョロキアも結構採れたので、遅くなっても諦めないことですね(笑)
害虫と病気
2022年は不思議と病気が出ませんでした。
種からの栽培を優先して書きたかったので、購入した苗から育てた畑初年度の2021年はまだ記載していませんが、トウガラシで悩ましいのは黒枯病ですね。
無農薬でやりたいというスタンスの中では、病変部をごっそり切り取るしかありません( ノД`)シクシク…。そして切り取ったところは即畑から出してゴミとして廃棄します。切り取りに使用したハサミは70%エタノールに浸して消毒しました。
害虫の被害で大きいのは、なんといってもオオタバコガの食害です。ニジュウヤホシテントウがたまに葉に付きますが、気になるほどではありません。
気が付くとカメムシが群れで付いていることもありますが、その場合は臭くならない程度に追い払うか、ガムテープで捕獲してビニール袋に入れ、固く口を閉じます。
オオタバコガはトマトやナスにも付きますが、それらはそれなりに実が詰まっているので、広範囲に渡り歩くことは少なく、一つ食い入るとしばらくそこで食べています(ミニトマトだとやっぱり結構やられます(^^; )が、トウガラシは中身が少ないせいか、次から次に移っていくのが問題です。
タバスコやハバネロ、ジョロキアもやられるので、辛さ(カプサイシン量)は関係ないみたいですね(^^;。昆虫に辛味を感じるレセプターTRPVがあるという論文も見つかりません。
ただ、嗜好の是非はありますが、昆虫などに食害されたトウガラシ類は、真菌などの感染を防ぐためにより多くのカプサイシンを産生するので、穴の開いたハバネロはより辛くなっている可能性がありますね。辛いのが好みの方は試してみては!?
まぁ、敢えて虫が食い入った実を使わなくても、わざと傷を付けて比較してみようかな?とも思いますが、どっちも結局「チョー辛い!」で落ち着いてしまう可能性が高そうです(笑)(^^;
おまけ 男料理
さて、ハバネロを使った料理は…ちょっと変則で、ハバネロソースです。所謂タバスコソースをハバネロで作ってみました、ということですね。
材料は以下の通りです。
- ハバネロ 濃いオレンジ~赤く熟したもの 15 個
- ハラペーニョ 1 個
- ビキーニョ 10 個
- ニンニク 2 片
- リンゴ酢 ペーストの固さが自分好みになる程度
- 塩 5 g…くらい?(^^;
タバスコソースを作る際には良く種を取るようですが、今回は一緒に入れちゃいました。ただ、ハラペーニョは種が多かったので、ハラペーニョだけは取りました。
また、以前ハバネロだけで作った時はフルーティで美味しかったのですが、今回はもうちょっと味に深みと言いますかコクと言いますか…を加えたかったので、トウガラシでも味のあるハラペーニョとビキーニョをアクセント程度に加えました。
実はハラペーニョを加えたもう一つの理由があるのですが、それは今回は内緒です(笑)
それぞれの具材と塩をミキサーに入れ、細かく砕きます。
ある程度砕かれたらリンゴ酢を入れて、さらにペースト状になるまで砕きます。
最初に入れたリンゴ酢の量ではペーストが固かった(これでも良かったのですが、普段使いにちょっと不便だった)ので、少し足して適度な硬さのペーストにしました。
今回は特に火を通したりしないので、小さなプラ瓶に小分けして、すぐ使うものは冷蔵庫、残りは冷凍庫で保管します。塩をもっと入れれば日持ちもするでしょうけれどね。
タバスコソースのようにピザやパスタに掛けると強い辛味と風味が足されて、すごくおいしいです。他にもアボカドと混ぜてみたり、焼きそばに入れたり、いろいろと楽しめますよ!
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