原種チューリップ(Tulipa acuminata, Alba coerulea oculata)栽培

栽培記録

5年ほど前から原種チューリップ(チューリッパ アクミナータとアルバ コエルレア オクラータ)を鉢で育てていまして、球根数も順調にほぼ倍々で増えてきていました。

そこで昨年は欲が出まして(笑)、畑で育てたらもう少し増えるんじゃないか?と思い、一部地植えでやってみたので、そのご報告です。

アルバ コエルレア オクラータ(Alba coerulea oculata)とは

原種チューリップの中でも「青いチューリップ」とも呼ばれて有名なアルバ コエルレア オクラータ。実際は青というより紫に近いかな?なのですが、かわいく、そして綺麗なチューリップです。

チューリッパ フミリス ‘アルバ コエルレア オクラータ’ (Tulipa humilis var. pulchella ‘Alba coerulea oculata’)

アルバ コエルレア オクラータ(Alba coerulea oculata)は種内バリエーション名でして、正式な種名はチューリッパ フミリス(Tulipa humilis var. pulchella)です。

チューリッパ フミリス(Tulipa humilis)はシリア・イスラエル・レバノン・イラン・トルコ・コーカサス北部原産ですが、本種がどこを原産とするかは調べた範囲では不明です(^^;

形態は小さく背も低い種です。高さは花を咲かせた状態で10-15 cmくらいですね。葉も上に伸びるより、地に這うように生えます。

性質は強く、プランターでは毎年倍々くらいに球根が増えていきますよ。

チューリッパ アクミナータ(Tulipa acuminata)とは

チューリッパ アクミナータ(Tulipa acuminata)は市場に出ている原種チューリップの中でも特に希少な種といえます。ここ何年かは販売されているのも見ていません(^^;

チューリッパ アクミナータ(Tulipa acuminata)は種登録されていますが、自然絶滅していると考えられています。このため原種と言われていますが、チューリップ栽培化過程初期の交配種の可能性も示唆されています。

チューリッパ アクミナータ(Tulipa acuminata)

背は結構高く、開花時は30-40 cm程度になります。

花は最初は黄色ですが、徐々に赤が混じっていきます。少し前なら「煉獄さんチューリップ」としてオークションでもすれば、高値が付いたかもしれません(笑)

原種チューリップの植え付け

原種チューリップとはいえ、栽培方法は通常のチューリップに準じます。

2021年秋の植え付けはプランターだけではなく、前述の通り欲を出して畑にも植えました。

プランターへの植え付けは、通常の草花用の土を用いました。

畑植え付けでは、植え付け2週間前に完熟牛糞堆肥と苦土石灰を漉き込み、1週間前に8-8-8の化成肥料を加えて耕耘後、5穴マルチを張りました。

チューリップ球根の植え付け時期はよく言われる「紅葉の見ごろ」のころが目安としてわかりやすいと思います。自分は少し早めの紅葉でも黄変時期前、紅葉見ごろから1週間くらい前に植えています。

今のところそれで特に問題なく、キレイな花も咲かせてくれていますね。

2021年の植え付けは、畑には11月13日、プランターには翌日の11月14日に行いました。以下は植え付けた球根です。写真は掘り出し時のもの。

アルバ コエルレア オクラータは畑に5球、プランターに9球植え付け。
アクミナータは畑に15球、プランターに8球植え付けました。

植え付け深さはそれぞれ球根の上に8~10 cmの土が被るようにします。これは畑でもプランターでも同様です。小さい球根は浅め(8 cm程度土が被るよう)に植えます。

さぁ!畑とプランター、どちらが良く育ち、増えるでしょうか!

原種チューリップ栽培

球根植え付け後に重要なことは、普通種チューリップと同様、球根と根を乾燥させないことです。チューリップは根が乾燥して枯れてしまうと、新たな根がほとんど出ませんので。

畑に植えたものは植えっぱなしでした。ただ、一時期乾燥が続いたので、後になって考えれば水やりした方が良かったかもしれません(^^;

プランターは乾燥しやすいので、日陰でも良いので目に付く場所に置きます。

冬の間乾燥させずに面倒を見ていると、年が明けた1月末から2月初旬ころ芽が出てきます。

これはアクミナータの2月14日の写真

3月半ばになるとアルバ コエルレア オクラータでは蕾が出てきます。

写真は3月6日です。一番上の列は切れています。左3列がアクミナータ、右1列がアルバ コエルレア オクラータです。

しかし…今回畑に植えたものは失敗と言えました(泣)。アルバ コエルレア オクラータは3/5株、アクミナータに至って5/15株しか発芽・成長しませんでした…。

プランターでの発芽率は共に100 %でした。

そして開花も畑とプランターではほとんど違いが無く、アルバ コエルレア オクラータでは3月20日、アクミナータでは4月6日に畑での開花確認しています。プランターでの確認はそれぞれその4日後でした。

3月20日の写真です。
4月6日の写真です。

もちろん球根を育てるため、花摘みもします。ただ、それぞれ花が綺麗ですし、特にアクミナータでは花色が徐々に変わっていくのを観る楽しみもあるので、開花から1週間程度してからやっています。

そして地上部が枯れこんだころ、球根を掘り上げます。原種チューリップは植えっぱなしで良いと言われていますが、やはり掘り上げた方が良いです。

実際に今年は掘り上げタイミングがかなり遅くなってしまったのですが、地上部の大きさに比べて球根数が少ないという結果になっています。これは以前も同様なことが起こっています。

特に畑の球根掘り上げを6月18日に行ったのですが、アルバ コエルレア オクラータもアクミナータも2つしか(!)採れませんでした(^^;。

しかもアクミナータの球根はカサブタがあるような状態で、病気の可能性もあるので、今年の植え付けは別プランターを使うしかありません(泣)

畑から回収できた球根(^^; 右がアクミナータ、左がアルバ コエルレア オクラータです。おそらくアクミナータ一つは発芽しません(^^;

そして忙しかったり、ふと忘れてしまっていたりで、プランターからの球根回収は7月21日になってしまいました(^^; 6月中にはやった方が良いと思いますが、今年は地上部の枯れこみに時間が掛かっていたのもありで。

ただ、6月にかなりの高温になったので、球根にも悪影響があったようです。元気なのはアルバ コエルレア オクラータは12個、アクミナータは15個でした。腐ったようなものがいくつかありましたね。

プランターからのアルバ コエルレア オクラータ球根
プランターからのアクミナータ球根

原種チューリップの害虫

チューリップに付く害虫ですが、葉や花を食害するような虫は、今のところ付いたことがありません。花はヨトウムシなどにやられることがあるそうです。

最も目立つ害虫はアブラムシですね。特に畑のチューリップには大量に付きました(^^;

プランターのチューリップにも付きます。こちらは黄土色の強い大きめのアブラムシです。

プランターチューリップ アクミナータに付くアブラムシ。

駆除方法ですが、畑のチューリップではテントウムシを探して食べさせ、プランターの方は殺虫剤使っちゃってます。

さて、今年(2022年)もそろそろ植え時ですね。

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