昨年(2021年)秋に4種?のニンニクを植え付けました。その中で唯一期待通りの収穫ができたのがジャンボニンニクでした。
その植え付けから収穫までの様子をお見せしたいと思います。
ジャンボニンニク Allium ampeloprasum var. ampeloprasum とは
ジャンボニンニクはニンニクと名前が付いていますが、ニンニク Allium sativum とは別種です。学名からもそれは明確ですね。共にヒガンバナ科ネギ属ではあります。
Allium ampeloprasumはいわゆるリーキ(ampeloprasum=リーキ)で、var. ampeloprasumとあるように、ジャンボニンニクはその変種の一つであることがわかります。
リーキは西洋ネギ、ニラネギ、ポロネギ、ポワロなどと呼ばれ、長ネギと同じように白く長い茎部分を食しますが、ジャンボニンニクはニンニクと同じ鱗茎を形成し、そこが食用となります。
ニンニクとは別種であるため、ニンニクのような強い香りや味はありませんが、ニンニクに多く含まれる匂いの元「アリシン」も少量含まれているため、匂いの少ないニンニク・無臭ニンニクとして使用されます。
また、玉ねぎやリーキに含まれるsyn-プロパンチアール-S-オキシド(催涙成分)も含んでいるため、やはりニンニクとは異なる種であると言えますね。
一方で調理法によってニンニクにはない、サクッとした食感やホクッとした食感があるので、炒め物などでは歯ごたえや、BBQなどでホクッとした丸ごとホイル焼きなどが楽しめます。
種ジャンボニンニクの入手
ジャンボニンニクの植え付け時期はニンニクと同様で良しとされていて、うちの畑のある地域では9月下旬から10月いっぱいくらいが良いようです。
2021年秋の植え付けでは、種専用として売られているものではなく、食用に販売されていたものを使用しました。購入は群馬でもニンニクの生産が盛んな高山村の道の駅「中山盆地」です。林ふさ子さん生産です。
本来はジャガイモなどと同様に、種として売られているものがウイルスなどの心配も低く良いとは思いますが、種用として購入した他のニンニクでもウイルス感染様の症状が出ていたので、単に当たり外れの問題かと思われます。
ちなみに購入は2021年9月20日です。購入したサイズは中型が揃ったもので、単に大型ですと個数が物足りずコスパ悪いかな?小型だと大きいのが収穫できないかな?と思ったからです。
結果28個/350円で入手できました。種専用に売られているものに比べると、激安ですね(笑)
ジャンボニンニクの栽培
さて、実際の栽培の様子を順に記載していきましょう。
植え付けは2021年9月25日に行いました。3列千鳥穴あきマルチ(ピールオフタイプ)を使用。深さは鱗片の上先端から5~6 cmくらい土が乗る感じです。
また、植え付け2週間前に完熟牛糞堆肥と苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に8-8-8の化成肥料を混ぜて70 cm幅の畝を立てています。
発芽は思ったより早く、10月4日(植え付けから9日後)には確認できました。下の写真は10月9日撮影です。ただ、発芽は遅いものでは20日くらい掛かりました。
また、いくつかのブログなどで外側の固い皮は剥いてから植えた方が発芽が早いとの情報がありましたので、半数剥いて植えてみましたが、剥かないものと比較しても発芽日数に有意差はありませんでした。
発芽後は比較的早く成長しました。以下の写真は10月24日撮影です。上の写真からは15日、植え付けからは約1か月・29日目となります。
早いものでは3枚目の葉が目立ってきていますね。
ところが11月半ばになると、最初に出た葉から順次黄色みがかり、葉先が枯れ始めました。すわっウイルス病か!?と思いましたが、とりあえず様子見です。
参照した多くのサイトでは追肥は12月とか、発芽から1か月後とか、40~60日ごとなどの記載があって、なかなか難しい(^^;
とりあえずウイルス病を疑いつつ、肥料が切れてきた可能性も考え、11月20日に追肥を行いました。8-8-8の化成肥料を植穴メインにマルチ上にバラまいた感じです。(植え付けから55日目)
以下の写真は11月29日に撮影したもので、葉先が黄色く枯れてきているのがわかります。
そして以下は12月4日の写真です。葉が黄色く枯れてくるのは、どうやらウイルス病などではなく、寒くなってきたことによる生理的な変化のようです。
結果としてですが、この間に欠株したのは、発芽しなかったもの1株、異常発芽?(鱗片を上下逆に置いた!?)が1株でのちに枯死の2株で、欠株率は2/28の7.1 %でした。
その後、寒さが厳しくなるに従い、枯れあがりも強くなりますが、完全に枯れることはもちろん無く、1月・2月を過ごしていきます。
また、2月初旬から中旬にかけて新葉が出始めてきましたので、2月19日に8-8-8の化成肥料を追肥しました。(植え付けから146日目)
上の写真は年も変わった2022年3月6日の写真です。新葉が盛んに伸び始めているのがわかりますね!
ただ、順調に伸びていく中でも、以下の写真のように葉が黄色と緑のモザイク状になる株が多く出てきています。
ただ、いくつかの文献を読んでみますと、ニンニクの場合、栄養繁殖体なので基本的には軽度のウイルスは持っていると思うべきとのこと。完全に抑えるためには生長点培養したウイルスフリー株を使うしか無いようですが、簡単にはそんな種鱗片は入手できなそうです(^^;
そのため、よっぽど葉が縮れるなどが無い限り、そのまま植えて成長させることにしました。
そして4月27日、待望のトウ立ち確認。おそらくこの4-5日前には出ていたんだと思われます。
ジャンボニンニクらしく、通常のニンニクと比べてもガッシリしていますね。
ただ、ジャンボニンニクの芽として収穫しようと、少し伸びるまで待っていると、結構な確率でネギ͡コガに穴あきにされてしまいます(^^;。特に抽苔した芽や新芽がやられますね。
幼虫や穴あきの状態がことごとくピンボケ写真なので…今の携帯、ピント合わせが思ったようにいきません(^^; (ちなみにSOG04です)。蛹と成虫の写真だけでも。
ジャンボニンニク収穫
そして、下葉がだいぶ枯れあがり、全体的な色合いも30 %くらい黄色な感じになったので、収穫です。収穫は6月3日(植え付けからちょうど250日目)に行いました。
もうちょっと早めにできるかな?と思っていましたが、枯れてくるまでに意外と粘りがありました(^^;。結果としては小さいものもありましたが、半分以上は満足のいく大きさでの収穫となりました!
それに、ジャンボニンニクは子球が結構できますね。写真でも鱗茎の横におできのように付いてるのがわかるかと思います。この他にもたくさんありました。
ところで…ニンニクってもうちょっと短い期間でできると思っていましたが、想定より長い栽培期間になりました。
このため、夏野菜用の土つくりが予定よりも結構遅くなってしまって、植え付けも2-3週間予定より伸びてしまいました。次作の予定がある際には、植え付け場所を予め検討するか、早めに収穫してしまうのが良いかもしれませんね。
おまけ 男料理 ジャンボニンニク編
皆さん興味があるかどうかわかりませんが、おまけとして栽培1品種に1つ、作った料理を挙げてみたいと思います(笑)
今回はジャンボニンニクを使ったニラレバならぬ、空心菜レバです。
材料は以下の通り
- ジャンボニンニク大1片
- 空心菜 適量 (畑で収穫)
- 玉ねぎ 小球半分 (畑で収穫)
- タバスコチリ(タバスコペッパー) 1本 (畑で収穫(冷凍):みなさんご存じのタバスコ瓶1本ではない(笑))
- 豚レバー 適量
- ゴマ油
- 塩
- コショウ
- 生姜(チューブ)
- みりん
- オイスターソース
<作り方>
フライパンにごま油適量を入れ、輪切りにしたジャンボニンニクを半分、輪切りにしたタバスコチリ、チューブ生姜適量を加えて火をつけ、少し香りが立つくらい炒めます。
切った玉ねぎを加え、適当に火を通します。
豚レバーを入れて表面が焼けたら、空心菜、塩、コショウ、残った輪切りジャンボニンニクを加え、空心菜がシンナリするまで炒めます。
最後にみりん少々とオイスターソース適量を加えてさっと炒めながら混ぜて完成。
タバスコチリが結構辛いので、普通のレバニラよりもなかなかに辛口ですが、時間差で入れたジャンボニンニクのホクッとした食感とシャキサクッとした食感が楽しめて、(みなさんにとってどうだかわかりませんが)自分は美味しく頂けました(笑)
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